#4 マザーボードとは?(概要)

サマリ

想定読者:初学者の方 / 想定時間:15分~20分程度
 第4回目のテーマは、これまで謎の部品で進んでいたマザーボードの実態について少し深堀していきます。


#1 マザーボードを見てみよう

 まずはマザーボード自体を見てみましょう。以下はPCのマザーボードの写真に主要機能の部品を追記したものになります。専門的な用語は置いておいて大丈夫です。


出典:ASUS PRIME Z790-P D4-CSMの商品概要ページ (https://www.asus.com/jp/motherboards-components/motherboards/prime/prime-z790-p-d4-csm/)の図を元に筆者編集

 ※少し細かいですが”スロット”に関する補足です。これは、接続に互換性を持っており、使用者が任意の部品を組み合わせることが出来る部分になります。例えば、メモリスロットに8GBのメモリや、16GBのメモリを任意に選択してガチャっと差し込むことで、マザーボードは変えずに8GB/16GBを選択できることから拡張性を担保できる仕組みになっています。

#2 マザーボードの核はCPU

 様々な部分が見えて混乱するかもしれませんが、マザーボードの核はCPUとだけ捉えれば大丈夫です。そもそもCPUとは、Central Processing Unitの略で、役割は、読んで字のごとく中央演算装置を意味します。
 前回の記事で勉強した表現を用いると、ノイマン型コンピュータの仕組みをもちろん踏襲しており、あらかじめ組み込まれた命令を元に、起動時や使用者の行動に合わせて動作します。例えば、使用者がスマホでもPCでも良いのですが、電卓の機能を使って足し算を実施したとします。その際に、CPUとしては演算の命令が詰まった箱から加算処理を取り出してきて実施し、その結果を使用者にディスプレイを通じて伝えている感じです。※下図にイメージを載せてみました
 このように、演算・制御の中心的存在により、使用者が要求する動作の全てにCPUは関与してきますので、マザーボードの核はCPUと言っても過言ではないと捉えて大丈夫です。

※CPUを絡めた動作イメージ図

#3 CPUを支える周辺部品たち

 CPUはどの場面においても重要な機能を担っていますが、一方で全てCPUのみで制御しているわけではありません。CPUひとつで全てを担うには非効率なケースが存在するからです。大きく例として2つ挙げたいと思います。

 このことから、最適化の動きが進められ、現在では周辺部品もそれぞれ、相対的には小さいものの演算・制御を行い、分散処理を実施する形となっています。例えば、キーボードやフリック入力を先ほど例に挙げましたが、こういったCPUにとっては低速の処理を取りまとめるチップがCPUのそばにいて、普段はそのチップが使用者の動作を主に見ていて、ある程度結果がまとまった段階でその内容をまとめてCPUに伝えるなど工夫されているものもあります。

 このように、CPUは全体に影響する制御や特に難しい処理などを担い、周辺部品がそれをサポートする形は、語弊を恐れずに記載するならば、国(CPU)と地方自治体(周辺部品)による協働作業をイメージすると捉えやすいかもしれませんね。それぞれの強みを活かしながら、一番能力が発揮できる部分で処理し、そして連携する形となっています。
 一つ一つの部品の動作やCPUの内部構造などについてはかなり踏み込んだ内容になりますので、今回はこのあたりで締めたいと思います。